天国へ行った17歳の愛犬シエルへ(火葬に入れた手紙です) パパより2024/3/24

※写真は逝去9時間前に撮った最後の写真です。

まずは半年以上の辛い時期をよく最後まで頑張ってくれたね、ありがとう!
昨年の10月にパパが滋賀に出張に行ってた時に心臓病で呼吸が困難だったときは正直もう長くないと思ってた。確か状況を聞いてその場でAmazonで酸素スプレーも取り寄せたよね。
場合によっては出張中に・・・なんてことも考えてた。ところが酸素吸入器をレンタルしてお薬も変えたら途端に恒常的に苦しんでた発作みたいなのが治って安堵したよ。


それからは落ち着いていたけどママが入院する前だから寒くなったあたりからまた調子が悪くなり、ママの入院中も不安ながらもK(息子)と協力して面倒が看れて今思うとよかったなあ。最初はバアバに預けることにしてたんだけど事情があって急遽、パパがフル在宅ワークにすることにしたんだ。Kと2人してシエルがご飯を食べてくれるように工夫して無事食べてくれるとこちらが何かエネルギーをもらった感じさえしたんだよ。


そのKとの普段にはないやり取りをすることで思い出したんだけど元々シエルを家族に加えさせてもらったのは当時家庭内がギクシャクしていたから家族の間の「架け橋」になってもらいたいという理由だったね。そのことから名前を考えていたけど確か虹(ラルクアンシエル)は「空の架け橋」だからその(ラルクアンシエル)から響きのいい「シエル」(空)を取って名付けたと記憶しているよ。名付け方は記憶が曖昧だけど初めてシエルに会ったときのことは今でもはっきりと覚えているよ。2007年の春、中野の一軒家のブリーダーのところに家族3人で行って、数匹のシルバートイプードルがcageの中で暴れていた中の2匹が今回引き取りのできるワンコで、パパは目ざとく身体は一番小さいのにお兄ちゃん、お姉ちゃんをかき分けて少しでも上に這い上がろうとしていたやんちゃな君を見つけてしまったんだ。もう一組の引き取り手とじゃんけんしてパパは勝ってシエルを家族にできたんだね。もしあの時負けていたらシエルは別の家族になっていたんだからパパのことも少しは褒めてほしいな。


うちに来てからはもちろんいろんなことがあったね。最初cageの中で寝かせようとしたのだけれど夜になると「ピーピー」泣き始めて熟睡ができないので何日かしてパパが諦めて布団の中で寝かせたんだ。けれどまだシエルは小さくてパパが寝返りうって窒息してしまうと怖いので結局熟睡できなくてギブアップ。Kが赤ちゃんだったときと同じようにまたもやママと寝ることになり、いつものようにパパは酷く怒られたなあ。


それからのエピソードは思い出したらキリがないのだけれどパパにとって一番印象が強いのはまだ若さに満ち溢れていた頃はお散歩に行くと飼い主の隣を歩くどころか、シエルはどんどん前に前に行こうとするから自然と後ろ2本脚だけでぴょんぴょん飛びながら散歩してたね。それも数秒でなくパパが注意して止めないと何分でも2本脚で飛んでいるくらい元気満々だった。道行く人が必ず見てきて、ある人は不思議そうな顔をしてたし、女子高生なんかは笑っているのに気づくとパパは恥ずかしくて「シエル、いけない!」と大声で叫んでいたね。のちのち10年くらいしてシエルがクッシング病というのになって足の踏ん張りがきかなくなってきた2018年に、かつてのシエルは2本脚で走るレーサーみたいだった、という歌詞でオリジナルの曲「老犬シエルわん!」

をバンドで作って何度か演奏したんだよ。そして実は昨年の秋も久しぶりのライブイベントがあってパパからメンバーにお願いして、たった2曲しか演奏できないうちの1曲に入れてもらったんだ。わがまま言わせてもらったけどいい思い出になってよかったと思っているよ。


パパがシエルとのお別れになってこんなに辛いのは天国に行くまでの40日と数日間がこれまでに君と一緒にいた合計の時間を上回るくらい凝縮して同じ時間を過ごしたからだと思う。それまでシエルとはそこまでちゃんとは向き合ってはいなかったし、お散歩に連れて行ったのも年に数回しかなかったもんね。それが、ママが入院した2月9日以降はほとんど毎日のように一緒にいたね。2月22日にはパパにとっては初めてシエルが最近通っている病院に、雨の中朝8時に連れていき先生から点滴治療の効果が無ければ余命1週間と言われて呆然としてしまったよ。結局3日間連続で丸1日入院して点滴治療もしたけど血液検査の結果はほぼ変りなく、家族で相談して自宅介護すると決めたんだ。残されているのは数日と覚悟していたのにいざ帰ってきたら、大好きなママの作った食べ物をパクパクと食べ、お水もゼリー状のものでなくて容器から普通に飲めるようになり、夜も熟睡しているからパパとママが6月に海外旅行に行く予定もキャンセルすることを考えることさえ話題に出たんだよ。それくらいこのままシエルはずっとあの状態が続くと普通に思っていたんだ。
ところが自然の摂理というものはそういう掟破りのようなことは決して赦してくれないんだね。

1週間前くらいから急に様子が変わって全く食べられなくなってしまって夜中も鳴くようになってしまった。3月18日、19日はパパがお仕事で学生とオンライン面談をしているときも何度も何度も吠えるから学生に説明してパパの膝で抱っこしながら面談したんだよ、お仕事だからこれがずっと続くと困るなあと正直思ったけどシエルはそのときのパパの気持ちを察してこれ以上迷惑を掛けたらいけないと思ったかもしれないね。パパと翌日20日にまた病院まで往復歩いて写真も撮れたし、天国に旅立つ数時間前の22日はすごく天気がよかったから昔パパが散歩に連れて行った猿町公園まで抱っこして行けて本当によかった。目を開けている時間は少なかったけど確実にお日様の光と温かさを感じてくれたと思う。でも猿町公園では終始鳴きっぱなしでそのときは何か痛いのか辛いのかよくわからなかった。でも後ですぐに分かった。大好きなママがお仕事から帰ってきて抱っこしたらそれ以降全く鳴かなかったから。きっとママにお別れを言いたかったんだろうね。パパはシエルが鳴きやんだから少し安心して酔っぱらって無意識に寝てしまったんだけど午前2時頃にママが大騒ぎして起こされたんだ・・・。

お別れのときがまさかこんなに突然来るとは夢にも思っていなかったんだけどその時を金曜の深夜に選んでくれたのは、本当にシエルは凄いね!
だって、ママ、Kと3人で土日の丸2日間一緒にいられることになるもんね、これが1日ずれるごとにお仕事もあるから家族3人どこまで自由な時間が作れたか分からない、そしてKが京都に今週金曜の29日に引っ越すから週末としてはまさにラストチャンスだったのをシエルは知っていたんだろうなあ。今考えてみると確かにこのタイミングしかないというときを選んだんだね。ちょっと不満を言うとそれなら少しそういう予兆を見せて欲しかったな、パパはシエルとのお別れのその瞬間に居られなかったよ、でもやはり大好きなママを独り占めしたかったのかな。パパが酔っぱらってママにからもうとするとシエルは必ずパパに嚙みついてきたもんね。


シエルは凄いね!シエルは最後の最期まで家族の架け橋になるために頑張ってくれた、そしてこれからは君の名前のとおり、お空で私たち家族のことをずっと見守っていてね。
本当に17年もの長い間ありがとう! シエルのことは絶対に忘れないから!  

            
じゃんけんに勝ったパパより